(高架下)
高架下の店だった。
(店舗外観)
夕方、さして腹も減っていないのにつと立ち寄ってしまった。

(コロッケメニュー)
コロッケなどの揚げ物とたい焼きを売っている店らしい。

(たい焼きメニュー)メニューの種類は豊富で「ビッグ」「ドカーン」といったキャッチーな単語が目につく。大きさや種類を推す類の店は好きだ。親しみ易い。気まぐれな猫のように心の隙間へとするっと入り込んでくる。
変わり種が気になったので表題のものを購入した。私が買った後には人だかりができていた。地元では人気の店なのかもしれない、と思いながら手元に視線を移す。
受け取った紙袋越しにたい焼きの熱さが伝わってくる。取り出す。ツンとした紅ショウガとソースの香りが漂う。

01
ジャンボではない。一般的な大きさだった。
かりっと焼かれた昨今のたい焼きに背を向けるような、ふかふかの表面にかぶりついた。
生地は焼いたばかりの人形焼のようであり、うまい。

02
具であるお好み焼きは2枚のたい焼き生地に挟まれている。

03キャベツの他に揚げ玉なども散見され、気持ち柔らか目でもんじゃのようでもある。たい焼き生地のほのかな甘みとソースの甘辛さが思いのほか合う。当たり前のようになじむ。うまい。
考えてみればお好み焼きも小麦粉をといて焼いた食品だ。炭水化物同士の組み合わせが云々というのはよく言われる話だが、これは焼きそばパンやコロッケサンドとは次元が違う。おにぎりの中身にチキンライスを入れているようなものである。
考えながら食べ進むうちに具とガワの区別がつかなくなってくる。これは鯛の形をしたお好み焼きなのだと考えたらしっくりきた。

食後は郷愁感に包まれる。陽がもう赤い。男子学生の味だった。
指先にはほのかにソースの匂いが染みついていた。